サウナに甘えられない日記

徘徊しがちなサウナ好き

旅の初めは4列夜行バス


先週は仕事上がり、片道3900円の激安臨時運行夜行バス「青春ドリーム横浜1号」に飛び乗り、弾丸で関西圏に行った。
「旅の終りは個室寝台車」ならぬ「旅の初めは4列夜行バス」という力業。

でも4列シートは3列シートと違い、サービスエリアごとの途中休憩が多くていいな。
ランダムに停まるサービスエリアで、その町の土産品を眺め、すこしだけその町に滞在した気にもなれる。

ひと昔前に比べ、サービスエリア内で深夜営業を行う飲食店は少なくなり、代わりにファミリーマートやらのコンビニ営業が増えてしまったのにはさびしさがある。
しかしコンビニと言えど侮れないところもあって、見慣れた商品の並びにも、こっそり「ご当地」のものはまぎれている。
私は目ざとく静岡県内のコンビニで焼津の鰹節チップスの入った珍味「バリ勝男くん」を買った。
明日会う関西の友だちに、さりげなくお土産で渡すんだ。

深夜の高速バス、同じ目的地に向かう車内の静かな一体感も愛おしく、隣で眠っている一期一会の「知らん男」にすら、心の中でちいさく子守唄を歌い、穏やかな気持ちで運ばれる。
「知らん男」は窓枠に身を預けながら眠っており、私の方は向かないけれど、肉体関係を持たず、でもシングルベッドさながらの至近距離で一夜を過ごす異性、書きながらすこし笑うけど、それもまた4列シートだ。非日常を楽しもう。

格安高速バスの中には、前面部のカーテンがない車もあり、都心部を走る時はさながらサファリバスの趣きがある。
そして深夜3時過ぎ、浅い眠りから目覚めた時に感じる、フロントガラス越し、暖色系の眩しさでも、しみじみ旅が染み渡り、真夜中の夕暮れみたいな気分だ。

ぼんやりした意識も柔らかな夜に溶け込み、翌朝にはすべて消えてしまいそうだけれど、明日になれば、また新しい私が歩き出すわけで、そういうのもいいんだよ。何も考えない。ただ夜を揺らす。




(眺めが最高!ではなかったけど)