サウナに甘えられない日記

徘徊しがちなサウナ好き

東京砂漠

土曜日、都内に遊びに行きたいけど、電車賃のことを考えると二の足を踏む。
でも遠方の友人が都内に上がってきてるらしいので、ちょっと顔出しに行こうかと。


上大岡から京急線で終点・品川までやって来た時の写真。
しかし東京の晴天って、憎たらしいな。
何がそんなに憎いのかわからないけど、偽善者みたいで憎たらしいな。

都内に上がる時、最近は前川清が歌う「東京砂漠」ばかり聴いている。
「東京砂漠」というワードの良さも気にいってて、単純に東京で暮らす人たちの、砂埃まで立ちそうな渇ききった心の内側を表現した言葉かと思いきや、実際の水不足を経て生まれた言葉なのも興味深い。

1960年代前半、異常気象に見舞われ、多摩川水系依存の東京で起きた大規模な水不足「東京大渇水」に対し新聞各社は情景混じりに「東京砂漠」と書き立てて、利根川や荒川の水を取り入れる施設群が使用されるまで、制限給水は3年半に渡り続いたとのこと。
そして東京大渇水・東京砂漠の出来事を現代の東京に置き換えて考えると「本来居住に適した人数を超えたところに住む人々」に対し、いつか自然が牙を向く日が来るのではなかろうかと、妄想の快速特急では、荒廃後の東京のことまで勝手に考えてしまう。人間の欲に塗れた東京。
晴れた日は楽しそうな街なのにな。


東京砂漠という曲について。
詞を書いた吉田旺、メロディを書き内山田洋とクールファイブを率いた内山田洋内山田洋とクールファイブのボーカル・前川清、共に九州の出身で、これは「故郷を離れ、都会で這いずった者たちの歌だな」とは心底感じる。東京に対して歌ったブルース的というか。
首都圏の生活で、未だにもがき続けている私だから、何となくわかるよ。

後ろに寄ったの拍の取り方で、ねちっこく、ねちっこく歌う、前川清
荒廃した世界でも「あなたがいれば、ああ、あなたがいれば」と歌い続けそうな前川清

ぐちゃぐちゃとした感情を乗せて、妄想電車は東海道と並走する。





真っ昼間から酒を酌み交わしつつ「東京砂漠」について語っていたら、
「お金があれば、お金があれば、辛くはないさ、東京砂漠〜♪」
と替え歌しだした友人は今日もキレキレで、ちびまる子ちゃんの父親・ヒロシばりに、情緒もクソもない、だがそれも良い。
遠方の友人と、我々に東京なんて関係ないもんな!今日の酒が美味けりゃいいもんな!とゲラゲラ笑ってしまうほど、いまは自由を満喫している。





見送りつつ寄り道した東京駅、まったく東京ってヤツめ。