サウナに甘えられない日記

徘徊しがちなサウナ好き

「不適切」な健康診断の話

3月某日、朝から健康診断を受けた。
昨年の健康診断は「前日に暴食を行った結果、高血糖かつ血尿」というひどさに加え、人生初の2次検査を受けてしまい、今年こそは挽回しよう!という決意。
そして自らへの罪滅ぼしの意識もあり、健康診断に対し、準備もそれなりにおこなったが、それも良くなかった。

前日の夕飯少なめで、21時以降飲まず食わずの私は、朝食抜き出社の時点で、思いのほか、もうふらふら、朦朧の国をさまよっていた。

血圧を測るも、上が94の下が68とかで、
「上下の差が30は欲しいなと……」と、二度三度血圧を計測させられる。血圧測定のリテイク。私を理想の型に押し込めないでくれ。
腕に圧をくらうたび、輸入食品店に並ぶ、真空パックに入れられた生ハム、加工肉の気持ちもほんのりわかる。ボーッとしながら人間であることも忘れかける。

その後の採血。
「体調大丈夫ですか」って、大丈夫なわけがない。空腹のあまり頭はクラクラしている。
私から血を抜くのか?
「これ以上私から何も奪わないでくれ」と心の中の貧農が叫んでいる。
いち社会人として「私ひとりが耐えればいいのよ」と、流れ作業を止めたくない、自己犠牲混じりの心が出しゃばりつつも、頭は混沌としている。結局は体調不良の自己申告を行い、医務室のベッドの上で採血を行った。

身体測定、のちの問診。
今回は若い先生で、あっさりと問診も終わったけれど、何かが足りない。
もしかして私は「すこしは気を付けなさいよ!」と、毎年いた、オジイちゃん先生の愛のある罵りを期待してしまっていたのだろうか。

生活のだらしなさをガツンと罵る、もとい、鋭く指摘することも、令和で言う「不適切」なら仕方もないけれど、あまりの素っ気なさに、脱力し、疲れが倍増してしまった。
それに最近観たドラマの受け売りもあるけれど「不健康」は「多様性」ではないんだよ。
もしも私の節制が足りないのなら叱ってほしかったし、節制を認めるなら多少は褒めてほしかった。

……なんて、熟練の技を若い問診のお医者さんに求めるのも酷かもしれないけどさ。納得の上で「愛を込めて罵られたい」なんて、あんまり言えないし。
ちょっぴり消化不良なお気持ちは、ここで昇華させてく。